津軽の地を優しく見守る岩木山。弘前の土壌はいわゆる「火山灰土壌」と呼ばれるものでふるさとの山・岩木山が作り出した土壌です。一般的に「火山灰土壌」とは、火山の噴火で火山灰が大地に降り積もり、これに有機物が分解した腐植が結合してできた土壌のことです。 「火山灰土壌が美味しいりんごを育てるんですよ」と消費者の皆様にご説明すると、たいていの場合、「美味しいりんごができるのだから、火山灰土壌には栄養がいっぱい含まれている」との印象を抱かれます。しかし、実際のところは全くのその逆で、無機質の火山灰が堆積した火山灰土壌には、豊富な栄養が含まれていることはないのです。 植物が成育するためには窒素や硝酸、カリ、カルシウムといった養分が必要になります。基本的には、こういった養分は豊富だと生産効率が高まるわけですが、栄養がたくさんあれば美味しい作物を実らせることになると言うわけではありません。不思議なことではありますが、むしろ、栄養が過剰だと作物の味が落ちる場合の方が多いと言えるでしょう。 りんごの場合も同じことが言えます。栄養豊富な土壌は生産効率を高めますが、美味しくて質のよいりんごにはなりにくいのです。その点、過剰な栄養を含んでいない火山灰土壌は、生産効率が低下するデメリットがあるものの、甘くて美味しい質のよいりんごを育てるメリットがあります。 最高の美味しさが自慢のゴールド農園のりんごたちは、火山灰土壌が育てた少数精鋭の集団なのです。 |